書ききれなかった事②

こんにちは

商品説明に書ききれなかった事、第二弾は「縫製糸」です。

今回、徹底的にビンテージジーンズを再現するのに決して外せなかったのが

ステッチ糸です。

何が?と思われる方も多いのではないかと思いますが、これが重要!

ご家庭のお針箱を開けて縫い糸をご覧下さい。そこにはポリエステル糸

がほとんどで、綿糸はなかなか見つからないと思います。

それはなぜか?

ポリエステル糸はとにかく強い、そして色あせしない。さらに洗い縮みしない。

夢のような糸ですね。でもそれでは困る分野もあるのです。

皆さんはジーンズが綿製である事はご存知でしょう。

綿は縮みます。ポリエステル糸は縮みません。製品の品質として決して悪い

訳ではありませんが、ポリエステル糸で縫ったジーンズは風合いに欠けます。

綿が縮むのならば、同じ縮む綿糸で縫うと洗濯毎に生地と縫い糸がしっかり

と食い付き合って立体的なアタリができます。

また、ジーンズは穿きめば穿きこむほど退色して白っぽくなります。

綿糸もまた同じ条件下で使用されるのでやはり退色します。

とまあ、ごく当然で、どこのメーカーも実践しているだろうと思われる事です。

しかし、ここからが拘りです。

現在は、大きなボビン(糸巻き)に巻き取った撚糸を何段も重ね、一度に大

量の縫製糸を生産します。

今回の製品に採用した縫製糸は、1960年代まで行われていた「カセ染め」

といわれる技法で染め上げられた縫製糸です。

もちろん国産、しかも岡山県で生産された物を使いました。

どこが違うのか?

当時の風合いを再現するため、ほぼ手作りで生産されています。

退色も計算されていて、新品時にオレンジ色であった糸もやがて薄い黄色へ

と変化します。

実は恥ずかしながら半信半疑で、もともと1960年以前に作られたものを再現するのには、

1960年以前の技法で染められた糸を使用するのが当然だとういう簡単な理由で採用を

決めたんですが、縫いあがった先上げサンプルの「糊落とし」をして天日干しで乾燥させて

ジーンズを表に返してステッチの縫い目を見て「採用してよかった~!」とニンマリしてしまいました。

皆さんもぜひ私と同じニンマリを楽しんでみて下さい。